現在、わが国においては相当数の絵画コンクールが開かれていると思われます。ことに子どもたちを対象としたコンクールでは、型にはまらない自由奔放で瑞々しい作品にあふれており、アカデミックな技法や様式にとらわれた大人のコンクールとは比べ物になりません。
しかしその一方で、子どもたちの絵画には発達段階により、徐々に物事を理解していき、その都度自分たちの理解した範囲での表現をしていくという特徴があります。それは年齢により相当大きく変化し、変化の様相には順序性があります。また当然、個人差も大きく、環境によっても左右されます。周りの大人、ことに指導者がその子どもの想いと、何を表そうとしているかを見守り、ささえ、励ましていくことによって子どもの表現力、天性の創造力はさらに飛躍を遂げるものと思います。簡単にいえば、的確な評価と指導がなされてこそはじめて、子どもの造形的表現力は無限にも伸びるということです。
こういった評価、あるいはコンクールでの審査の中身の検証や研究が、今まであまりにもなされなかったことに思い至って作られたのがこの研究会です。造形美術に関わる国立私立大学の教員、首都圏を中心とした現場の教諭の凄腕の先生方が集まってできましたこの会ですが、今後ますます研鑽を積まれ成果を出していただければと思います。
2014年4月1日 立教大学 名誉教授 冨安 敬二
「児童美術審査研究会の歴史」
- 2005年6月
- 東京都大学造形美術教育教員養成協議会(都大美協)を立ち上げる
- 参加大学:青山学院大学、昭和女子大短期大学部、聖心女子大学、東京学芸大学、東京家政大学、日本女子大学、明星大学、立教大学、武蔵野大学、宝仙学園短期大学、以上10校11名
- 2005年8月
- 第2回東京都大学造形美術教育教員養成協議会にて賛同、参加大学が増える
- 新参加大学:大妻女子大学、お茶の水女子大学、創価大学、玉川大学、文教大学、
- 2008年7月
- 以上の国立、私立大学の教員ネットワークがつながり、これを元に、さらに神奈川県、埼玉県、千葉県、東京都の順に現場の教師との連携も強まる
- 2008年10月
- 以上のネットワークを美術教員データバンクとして組織化
- 2013年10月
- 児童美術審査研究会(仮称)として評価、審査に関するゆるやかな研究グループ形成
- 趣意書、規約などが作られる
- 2014年4月
- 役員など組織化、仮称をとり正式名称に
- 2015年7月
- 趣意書、規約に賛同する会員を募り、現在53名となる